猫と犬とピアノと、たまに本。

猫娘達と犬娘、そして音楽と本に囲まれて生活しています。

利き手の呪い

子どもの頃のことです。

幼稚園?で、

「右手は、お箸を持つ手だよ」と教わりました。

そこで、「右手を出して」と言われ、手を出すと「違う」と言われました。

また、「右手は鉛筆を持つ手だよ」とも教わりました。

そこでも「右手を出して」と言われて差し出した手を「違う」と言われました。

 

私には何が違うのか、当時は分かりませんでした。私の「お箸を持つ手」「鉛筆を持つ手」は、「左手」だったので。

 

今、右、左をどう教えているのでしょうね。

 

私より上の世代は、左利きを忌み嫌う風潮がありました。なので、「生まれた時は左利きだったけど、右を使うよう矯正された」という話も聞いたことがあります。左利きを矯正しないのは、親の怠慢とまで言われていた、という話も聞きます。

 

私自身は、親の方針で、一部の作業を除いてほぼ矯正されていませんでした。

そのため、小学校時代、先生に指されて黒板に板書していた時、「ふざけるな」と怒られたことがあります。また、掃除の時間に左手で箒を持って真面目に履いていたのに、「真面目にやれ」と頭を叩かれたこともあります。さすがに親が先生に抗議をしたところ、「(左利きだと)習字の時に苦労するから」注意をした、と言っていたそうですが。

先生は当然ながら、私より上の世代。左利きに対する偏見が勿論あった上での注意叱責だったのだろうなぁ、と推測しています。

 

ところで。

右利きの人って、何をするのも「右」オンリーで、左手は全く使えない…らしいですね。中には器用で、左手もそこそこ扱える人もいるようですが、それは稀なようです。

 

が、イマドキの左利きは知りませんが、少なくとも私の世代周辺の左利き(物心つく前に右に矯正された人を除く)は、そうでもないんです。

 

メインは左手だけど、右手でも字が書けたり、箸を右手でも持てたり。

私も、箸やスプーン、フォーク等左右両方ともいけます。筆記も、字は主に右、絵は主に左ですが、どちらでも書けます。字は、右利きが書きやすい構造になっていますしね。

パソコンのマウスも、設定を変えない限りは右手仕様ですが、設定を変えるのも面倒くさいので(笑)、そのまま使っていたら、右手で使えるようになりました。

 

しかし、ハサミは右手で使う派です。

就学前は左手で右手用のものを使っていたのですが、刃のつき方が左手ではどうにも切りづらいのですよね。左手で器用に使う人も居ますが、結局私は、左手では使えませんでした。オトナになって、左利き用のハサミを左手で試用してみましたが、一般の右利き用のハサミに慣れてしまった私には、意外と使いづらかったです。高価だし(笑)

 

比較的両手を使えている私ですが、右手ではできないものも、いくつかあります。

 

・その1 ボール投げ

元々、運動能力が飛び抜けて良いという訳ではないので、右でも左でも器用に投げられる、ということはなく…端的に言ってしまえば、

左は素人並み

右はノーコン、運動音痴並み(笑)

です。

・その2 消しゴム。

意外かもしれませんが、消しゴムを使うのは技術が要ります。右手で消しゴムを使おうとするならば、ヘタをすると紙が破れます(苦笑)

その分、右手でシャーペンを持ちながら左手で字を消す…なんていう技を使えますが。

・その3定規で線を引く

・その4スマホの文字入力

右手でも出来ないことはないのですが、どうにも気持ち悪いし、もたついてしまう。あ、スマホカバーは手帳型を愛用しているのですが、左利き用の開きのものって、お見かけしたことがありません。これも、地味に不便なもののうちの1つですね。

 

そして、長年できなかったのですが、ここ数年できるようになったこと。

駅の改札口のICタッチが、右手でもできるようになりました。

それまでは、どうしても左手でしかタッチが出来ず、改札口を通る時には、無駄に(笑)左手を右側に交差させながら通っていました。右利きの人は、走り込みながら手の上げ下ろしというか振り下ろしたタイミングで「ピッ」とタッチできるのに、私は速度ダウンさせないとタッチ出来ない。忸怩たる思いでいつも通過してしました。

それが、最近右手でタッチできるように。

きっかけは、通勤用に使っているナップサックのポケットが右側にしか付いていなかったから、という、これまた右利き仕様の弊害から端を発したモノなのですけれどね。

とはいえ、お陰様で、また右手でもできるモノが増えた、ということになりますか。

と、私の中では「チャンチャン🎵」と収まっていたことなのですが。

 

最近、ウエアラブルウォッチを使用されている方をよく見かけるようになりました。そして、そのウォッチで、電子決済もできるとか。

右利きの方の多くは、左手に時計を装着しますよね。そして、SuicaPASMOもウエアラブルウォッチでタッチしようとすると…

分かりますか?

そう。

左手で、交差させないと、ICタッチが出来ない。

まさに、左利きの長年の苦悩が、右利きの人にも!!

 

先日、その姿を目撃した私は、驚くとともに、

ワクワクというか、得も言われぬ気持ちになりました。

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[四女むぎ と 三女ちょこ むぎの振り上げた手は左。ひょっとして彼女も左利き?!(笑)]