猫と犬とピアノと、たまに本。

猫娘達と犬娘、そして音楽と本に囲まれて生活しています。

今更ながら気づいたこと。

熟達した人なら、とっくに知っていることだと思います。「今更気づいたの〜?」と嗤ってやってください。

 

以前の発表会で失敗した、ショパンエチュード Op25−9通称「蝶々」。

 

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リベンジの機会を与えてもらえることになり、練習を継続しているところです。

前回の発表会当時は、スラスラと淀みなく弾くことと、楽譜に示された規定通りの速さで弾くことが第一関門として私の前にはだかっていた課題でした。それ以前に、人前での演奏に対する緊張というのもありますが(苦笑)

 

流石に、初めて練習をしてから早5ヶ月。もう5ヶ月か〜(汗)というのはさて置いて。多少ミスタッチはあるものの、譜面通りには一応スムーズに弾けるようにはなりました。

が、速さが、ね。

「♩=112」って、楽譜の指示ではあるのですが、この速さって、異次元の速さです。口ずさむことも困難な速さなんですから。YouTubeで動画をupしている人の多くは、この速さをクリアしている人が多いような気がします。ですが、いわゆる「一流のピアニスト」と言われるような方々の演奏・・・例えば、横山幸雄さんのCDを聴くと、そこまで速くは弾いていません。そして、気持ち良く口ずさむことのできる最速の速さ、という気がしました。「♩=100」もないくらい。90くらいでしょうか。私の理想的な「蝶々」のイメージも、横山さんの演奏スピードくらいがベストスピードなのです。このくらいが、フレーズを歌うように弾く、限界の速さのような気もしました。

なので、師匠に相談しました。

 

師匠は少し思案した後に、

「先日、(師匠の)仲間がコンサートで「蝶々」を弾いたのですが、『♩=112』なんて速さでは弾いていませんでしたね。あまり速さにこだわらなくても、その演奏者の音楽性を現せれば良いのですよ。」と宣いました。「ショパン自身が『♩=112』なんて速さを求めてはいないかもしれませんよ。」とも。

そして、

モーツァルトの『トルコ行進曲』だって、相当な速弾きをする人もいますが、ソナタ形式の1楽章と捉えた場合には、それほど速く弾く必要もないですしね。」とも仰られました。

また、

「曲の速さって、その時代の流行も影響しますしね。」とも。

まぁ、YouTubeでは、いかに難易度の高い曲を、自分の技巧を見せつけるように演奏するのか、ということを競って動画をupすることにより注目される、ということもありますからね。

 

という訳で、私は「♩=112」に拘らず、「♩=90」程度で弾くことにしたのですが・・・

一応、「♩=90」の速さまで、安定して弾けるようにはなりました。しかし、「♩=90」が、私にとっての限界値。そして、ギリギリの速さのせいか、音が雑。円やかな優しい音を創り出す余裕は全くありません。

指が硬い、肩が硬い、腕が硬い。ガッチガチ。

力んで弾いているのは自覚があります。そのせいで、自分の身体の動きが制限されているのも解ります。この状態で、これ以上速く弾くのは不可能。音質をコントロールするのも不可能。かといって、「柔らかく」弾くと音質は良くなるが、スピードが覚束無い。

これが、私の限界、か・・・?

自分自身にがっかりし、諦めかけていたところ。

YouTubeの「蝶々」の演奏している人の動画を流し見していて、ある速弾きをしている人の手元アップの画面が映ったのです。その動きを見ていて、私との決定的な違いを発見しました。

その人の指は、鍵盤を舐めるように動いていました。鍵盤に吸い付くように、というか、鍵盤と指が磁石のSとNなのか?と思うほど、離れないのです。横移動の時も、鍵盤の上を高速で滑っている、という印象。

これだ!私との決定的な差は!

 

師匠から、「打鍵の音を出さないように」と、普段のレッスンの時から言われていました。

私は、スタッカート、スラーの無い箇所等は、音をはっきり切らないといけない、と思っていたので、寧ろ指を高い位置から振り下ろす弾き方を、敢えてしていました。そして、そういう弾き方が、スラーのかかった箇所と区別する弾き方だ、と信じていました。

最近、ソルフェージュの先生(昨年音大を卒業したばかりで最新の音楽教育を受けてきたばかりの方)から、「スタッカートは、『鋭い音』を出すという意味ではありませんよ?」と言われて、ハッとしました。ン十年ピアノに携わっていて、久しぶりに感じた音楽にまつわる「目から鱗」でした。

この時初めて師匠が言う「打鍵の音を出さないように」の意味が理解できたのです。恥ずかしながら。

そして。あのYouTubeの手元の映像。

 

打鍵の音〜音楽的ではない、指と鍵盤が触れる瞬間の「パシャ」という音〜は、耳障りな雑音というだけでなく、指を振り上げて下す、という、物理的なタイムロスを作る元でもあったということです。

 

早速、あのYouTubeに倣って、鍵盤に吸い付くような演奏を試しました。

最初はミスタッチだらけでした。が、音色が違う!速さは「♩=90」で、望んだ音色!

「これこれ!」

何だか嬉しくなって、大嫌いな練習なのに、弾きたくて仕方がなくなりました。

・・・というのが、昨日のことなんですけれどね(苦笑)

 

本番まであと約1月半。

頑張ります。

[三女ちょこ「頑張ってね」優しい彼女は穿ることなく応援してくれそうです。]

 

↓気弱で優しい三女ちょこの様子です。観ていただけるとシュフが喜びます。(我が家の娘たちを愛でてくださると私も嬉しいです♪)


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